皆さんこんにちは
花を買う人(はなを)です。
バラは世界中で愛される花のひとつで、その美しい花びらと豊かな香りが特徴です。花の手入れをする方にとっては悩みの種ですが、このトゲはバラにとって非常に重要な役割を果たしています。今回は、バラのトゲがなぜ存在するのか、どんな役割を持っているのかを詳しく解説します。
バラのトゲは「刺(し)」〜その正体とは〜
一般的に「トゲ」と呼ばれるものですが、植物学的にはバラの茎に生えているものは「刺」と分類されます。これは、茎の表皮や皮膚が変化してできたもので、鋭く尖った突起です。サボテンのトゲのように葉が変形したものとは異なり、バラの場合は茎の外皮の突起物です。
この「刺」は、見た目は似ていても植物の種類によって起源や構造が異なることが知られています。バラの刺は成長する過程で茎の表面組織が硬くなり、硬い鋭い突起として形成されます。
トゲが持つ最大の役割「外敵からの防御」

野生のバラは、茎や葉を食べる動物に狙われやすいため、外敵から身を守るためにトゲを進化させました。
- 草食動物からの防御
ウサギやシカ、ヤギなどは茎をかじる習性があり、トゲはこれらの動物にとって痛みや不快感を与え、食べるのをためらわせます。 - 虫以外の外敵対策
大きな動物だけでなく、時に大型の昆虫や鳥類が茎を傷つけることもあります。トゲはこれらの侵入を防ぐバリアの役割も担います。
このようにトゲは「植物の身体を守る武器」として機能し、植物の生存競争において重要な意味を持っています。
トゲのもうひとつの役割「絡まりと支え」
バラは種類によっては他の植物に絡みつきながら成長することもあります。
- 絡みつきの補助
トゲは他の枝や植物の茎に引っかかりやすいため、風や動物の動きで茎が揺れても外れにくくなります。これにより、高さを確保し、より多くの光を受けて効率よく光合成ができる環境を作ります。 - 安定した成長のための固定具
風で揺れる植物は茎や根にダメージを受けやすいですが、トゲが絡まりを強化することで揺れを軽減し、成長を安定させる役割を果たしています。
トゲがあることで生態系に与える影響
トゲは単にバラを守るだけでなく、生態系の中でさまざまな役割を持っています。
- 小動物の隠れ場所
トゲのある茂みは、小鳥や昆虫にとって安全な隠れ場所や巣作りの場となることがあります。外敵から身を守るための天然のバリアとして機能します。 - 捕食者からの防御を助ける役割
小動物や昆虫がトゲの茂みを利用することで、捕食者から逃れやすくなり、地域の生物多様性を支えています。
まとめ
バラのトゲは、外敵から身を守り、絡みつきやすくするための重要な植物戦略です。美しい花の陰には、厳しい自然環境の中で生き抜くための知恵と工夫が隠されているのです。トゲがあるからこそ、野生のバラは厳しい環境でも自らを守り、美しい花を咲かせることができると言えるでしょう。
参考文献
- 植物学事典編集委員会(2016)『植物学事典』朝倉書店
- 日本バラ会(2021)「バラの形態と分類」https://www.bara.or.jp
- Whitaker, T.W. (1934). The Morphology of the Prickle in Roses. American Journal of Botany, 21(5), 441-444
- Dirr, M.A. (2009). Manual of Woody Landscape Plants. Stipes Publishing
- 渡辺一馬(2017)『バラの生態学』農山漁村文化協会

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