皆さんこんにちは
花を買う人(はなを)です。
暖かい日差しに誘われるように、今日は少しだけ遠回りして帰ることにしました。
特に目的地があったわけでもなく、ただなんとなく歩きたくなった春の夕方。
忙しい日々の中で、こうして少しだけ自分のペースを取り戻す時間が、最近とても大切に感じます。
人通りの少ない小道を歩いていると、ふと足元に広がる景色に目を奪われました。
そこだけまるで、ピンク色の絨毯を敷き詰めたかのように、淡く可憐な花たちが群生していたのです。
「この花、なんだろう?」

可愛らしい丸みを帯びた花びら、繊細で柔らかな色合い。
雑草とはとても思えない上品さがありました。
調べてみると、この花の名前は「ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)」というそうです。
名前に「ツキミソウ」とあるので、てっきり夜に咲く花かと思いきや
「ヒルザキ」と名のとおり昼間に咲くタイプ。
元々の「ツキミソウ(月見草)」が夜に白い花を咲かせるのに対し、
ヒルザキツキミソウは昼間に咲き淡いピンク色が特徴です。
北アメリカ原産の花で、日本には明治時代に観賞用として持ち込まれ、
その後は道端や空き地、公園などで自然に広がっていったそうです。
見た目はとても繊細ですが、実はとても丈夫で、乾燥にも強く、
庭に植えると植えたつもりのない場所からどんどん先広がる力強さを持っています。
あの足元の景色が美しかったのは、そんな生命力のたまものなのかもしれません。
花言葉は「清純」「無言の愛」「固く結ばれた愛」「自由な心」など。
どれも、風に吹かれて静かに咲いている姿にぴったりの言葉ばかりです。

都会の喧騒の中で、ふと足元を見たら咲いていた花。それだけのことなのに、なんだかとても嬉しくなりました。
特に何といった用事があるわけではないのに、速足であるいてしまうのですが、足元の草花に目を向ける余裕もあると気分もまた明るくなれるかもしれませんね。
こんなふうにふと立ち止まって季節の小さな変化を感じると、自分の中にも優しい風が吹き抜けていくような気がします。
ヒルザキツキミソウは、そんな気づきをくれた花でした。
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