雑学

タンポポの英名「Dandelion」の語源を探る|なぜ、花にライオンの名が宿るのか

こんにちは
花を買う人(はなを)です。

道端や野原に広く自生し、春の代名詞とも言えるタンポポ。その英語名である「Dandelion(ダンデライオン)」には、「ライオン」という猛獣の名前が含まれています。多くの人が花の黄色や綿毛の球状の姿からライオンのたてがみを連想しがちですが、実際には名前の由来は別の特徴に隠されているのです。今回はタンポポの英名にの由来について解説します!

タンポポの英名の由来

英名はフランス語「ライオンの歯」が転訛したもの

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タンポポの英名「Dandelion」は、英語そのものに起源を持つわけではありません。この名前は、フランス語の「dent-de-lion(ダン・ド・リオン)」という言葉が転訛したものです。
この「dent de lion」は、そのまま訳すと「ライオンの歯」という意味になります。この語源は非常に古く、中期フランス語の dent de lion や、初期の中世ラテン語の dens leonis にまでさかのぼることができます。

ライオンの牙に見立てて

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タンポポの葉は根元から放射状に生えており、細長く、縁が深く裂けたギザギザ(欠刻)を持っています。
この鋭く欠けた葉の形が、ライオンの持つ鋭い牙に見立てられたことが、英名「ダンデライオン」の直接的な語源です。

フランス語の別名「ピサンリ」が示す薬効

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タンポポは、葉っぱの形の特徴から「ライオンの歯」と名付けられた一方で、古くから人々の生活の中で薬草としても利用されてきました。その実用的な効能に由来する名前も存在します。

利尿作用が語源に

    現代フランス語では、タンポポは「dent-de-lion」ではなく、一般的に「ピサンリ (Pissenlit)」と呼ばれています。この「ピサンリ」という名称は、直訳すると「おねしょ(寝小便)」を意味する「piss-en-lit」が語源です。

    この名前は、タンポポが持つ強い利尿作用にちなんでつけられました。タンポポは古代から薬草として使われており、特に根の部分を焙煎したものは、カフェインを含まないコーヒーの代用品(ダンデリオンコーヒー)としても利用されています。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。今回は、タンポポの英名「Dandelion(ダンデライオン)」の語源について解説しました。一見すると花の形や色から名付けられたように思えるこの名前ですが、実は「ライオンの歯」を意味するフランス語「dent-de-lion」に由来し、その由来はタンポポのギザギザした葉の形にあります。また、フランス語の別名「pissenlit(ピサンリ)」には、タンポポの利尿作用にちなんだ意味が込められており、古くから薬草として人々の暮らしに寄り添ってきた歴史も垣間見えます。
    このように、タンポポという身近な植物にも、名前に込められた文化や効能の物語があることを知ると、日常の風景が少し違って見えてくるかもしれませんね。

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