皆さんこんにちは。
花を買う人(はなを)です。
花はただ美しいだけでなく、古くから人々の暮らしを支えてきました。皆さんは、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉を聞いたことがありますか? これは女性の美しさを表現した日本のことわざとして有名ですが、実は漢方医学とも深い関係があるそうです。
今回は、この美しい花々がどのように女性の理想像とされたのか、そしてどのように漢方薬と関係があるのかを紐解いてみたいと思います。
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の意味

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉は、女性の美しい立ち居振る舞いを花に見据えたものです。
- 立っている姿は芍薬のように美しい
- 座っている姿は牡丹のように美しい
- 歩いている姿は百合の花のように美しい
これは、外見の美しさだけでなく、姿勢や動作の上品と称される言葉として使われてきました。なぜこの三つの花が女性の美しさの象徴として選ばれたのかそれぞれの花の特徴を見ていきましょう。
どうして芍薬・牡丹・百合なのか?
立っている姿が美しい「芍薬」

芍薬(しゃくやく)は、ボタン科ボタン属の多年草、5月~6月にかけて大輪の花を咲かせます。その花は穏やかがあり、ふんわりとした優雅な雰囲気を持っています。
芍薬の茎はあっという間に伸び、葉も整っているため、真っ直ぐ立っている姿が美しいとされます。このように、芍薬の立ち姿の美しさが「立てば芍薬」という表現につながっています。
座った姿が優雅な「牡丹」

牡丹(ぼたん)は、ボタン科ボタン属の落葉低木で「花の王」とも呼ばれる豪華な花を咲かせます。 特に、満開の牡丹は大きな花びらが重なり合い、ふわっと広がる優雅な姿が特徴です。
牡丹の木は低めで、花はしっかりとした枝に支えられて咲くため、どっしりとした安定感があります。この姿が、落ち着いて座っている女性の美しさ注目され、「座れば牡丹」と言われるようになりました。
また、牡丹は中国では「百花の王」とも呼ばれ、富と人気の象徴とされています。そのため、気品や優雅さを表す花としてもぴったりなのです。
歩く姿がしなやかな「百合」

百合(ゆり)はユリ科ユリ属の多年草で、細長い茎を持ち、大振りで香りの良い花です。 白百合の花は特に気品があり、古くから清純な美しさの特徴とされてきました。
百合の花のは、茎がしなやかで風に揺れるため、女性が歩くときの優雅な動きに似ているとされ、「歩く姿は百合の花」と表現されるようになりました。
実は薬としても使われていた花たち
このことわざに登場する「芍薬」「牡丹」「百合」は、実は単独観賞用の花ではなく、古くから薬としても利用されてきました。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉は、女性の美しさを花で表現したものでもありますが、実は漢方の考え方とも深い関わりがあります。
立てば芍薬(しゃくやく)

「立てば」は、イライラした状態を表しています。芍薬の根は鎮痛・鎮静の治療に用いられてきました。
つまり、「立てば芍薬」には、ストレスや緊張で筋肉がこわばっているいるとき、芍薬を飲むと良いという知恵が含まれているのです。
座れば牡丹(ぼたん)

「座れば」は、血液の巡りが滞り「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血行不良の状態を指しています。
牡丹の根皮は「牡丹皮(ぼたんぴ)」と呼ばれる生薬として用いられ、血流を改善し月経痛や熱を下げる効果があり、血の巡りを良くすることで体全体の調子を整える働きをしてくれるとされていました。
「座れば牡丹」は、血流が滞るような体質の人には、牡丹を含む漢方薬が良いという知恵が込められています。
歩く姿は百合(ゆり)

「歩く姿は百合の花」という表現は、足元がふらつくように歩き心身症の様子を指しています。
百合の球根部分は、「百合(ビャクゴウ)」という生薬になり、精神安定の効果があるとされています。 特に、ストレスによる不眠や神経症状の改善に利用されてきました。
つまり、「歩く姿は百合の花」は、精神的に不安定でふらつくような状態の時は、百合を使った漢方薬が良い、という医学的な意味も含まれているのです。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回は「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」の由来について紹介しました。このことわざには、日本人が重んじる「美しさ」「品格」「健康との調和」の意味が込められていたんですね。
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